2024年 年始のご挨拶
東ヨーロッパのウクライナ紛争の解決を待たずして、昨年10月には中東でハマスとイスラエルの軍事衝突が勃発しました。この紛争の影響は、原油価格の高騰を招き、我が国の40年ぶりと言われる物価高騰の要因となり、私したち国民に大きな負担を強いる結果となりました。この事は遠い中東やヨーロッパと言う対岸の火事ではなく、今や世界情勢の働きが、我が国の安全保障と経済に比類なき結果をもたらす証しとなりました。
私たちは激動するこのようなグローバル国際社会の中でいかにして安定した事業の持続化を図る事が出来るのか大変苦慮する所であります。
扨、私たち不動産業界を取り巻く経済環境は近年、時代の進化と共に目まぐるしい変遷を遂げております。
昨年(2023年)の我が国や先程の頭書の世界の出来事を振り返ってみますと、まず1月には少年法改正により裁判員制度の年齢が20歳から18歳以上に引き下げられました。2月にはトルコ・シリアで大地震が発生、国際緊急援助隊が、我が国からも派遣、4月には、社会的問題解決一元化のために「こども家庭庁」が発足、5月には、WHO(世界保健機構)が新型コロナ緊急事態終了を宣言。7月には、G7広島サミットが開催され、世界で注目されているウクライナのゼレンスキー大統領が広島入りしました。10月には、インボイス(適格請求書)制度の施行、ハマスとイスラエルの軍事衝突の発生、12月には、EUが世界で初めて人工知能(Artificial Intelligence)を包括的に制限する法案に合意しました。
扨、今年の7月には、日本銀行が1万、5千、千円札の新紙幣を発行します。このキャッシュレスの時代、経済の起爆剤になることを期待したい所です。
又、昨年4月には私したち会員のビジネスに直接関連する民法の改正が有りました。「所有者不明土地関連」、「相隣関係の見直し」、「ライフラインの設備の設置・使用権」、「共有地の変更・管理の見直し」、「重要土地調査法」、そして静岡県熱海市の大雨による盛土が崩落し土石流が発生、甚大な人的、物的被害が発生したことを起因として「宅地造盛及び特定盛土等規制法」が改正公布されました。重要事項説明書に係る調査、説明責任は増々、重責を担う事となります。
又、時代はデジタル化の進化により、紙媒体からデジタルデータ化への取り組みの一環である電子契約の推進やDX化など、我々業界が取り組むテーマは山積しております。渋谷支部はこの様な時代背景に鑑み対応すべく、実務者研修やビジネス情報交流会などを更に充実し、会員の皆様の支援に取り組みたいと思います。
会員皆様には引き続き支部運営にご理解、ご協力を賜りますようお願いを申し上げます。
感 謝
公益社団法人 全日本不動産協会東京都本部
渋谷支部長 上村 岩男